【投球障害予防10のチェックポイント】トレーニングで改善しよう。
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この記事では、野球肩や野球肩にならないようにするための10のチェックポイントとトレーニング方法について紹介します。

【投球障害予防10のチェックポイント】トレーニングで改善しよう。

「投球障害」は、繰り返しボールを投げることで肩や肘が痛くなる障害の総称です。「野球肩」「野球肘」といわれますね。小学生からプロ野球選手まで、多くの選手が投球障害に悩み苦しんでいます。

野球界では、このような投球障害を減らそうと、ピッチャーのイニング数制限や投球数制限、タイブレーク制といった様々な取り組みがされていますね。

データを用いた障害発生予防

松戸整形外科病院で理学療法士をしている亀山先生は、これまで小学生から社会人まで、あらゆる年代の選手たちにフィジカルチェックを行い、その情報をすべてデータベース化し、まとめています。

※ 参考 → CYBER BASEBALL

その中で、「どのような環境で、どのような身体機能の選手が投球障害を発症するのか」という危険因子を調査した結果、学童野球では、次の10項目に当てはまる選手ほど、発症率が高まると述べています。

【学童野球/投球障害のリスクが高まる10の特徴】

学童野球/投球障害のリスクが高まる10の特徴
  1. 投手経験がある
  2. ひじ痛の既往がある
  3. 肩痛の既往がある
  4. 体重が35㎏以上ある
  5. 練習時間が週20時間以上である
  6. 肘の伸展制限がある(伸びづらい)
  7. 肘の屈曲制限がある(曲げづらい)
  8. 片足立位が3秒以上できない
  9. 踵殿部距離が10㎝以上ある
  10. 股関節屈曲が110°以下である

このうち、「体重が35㎏以上、練習時間が20時間以上で投手をしている選手」は、その後1年以内に87.5%の選手が投球障害を発症していることが分かっています。体の大きなピッチャーほど、肩や肘を痛める確率が高くなるということです。

いくら体格が大きかったとしても、まだ学童ですから、筋肉や骨、靭帯などは成長途中で未熟です。練習や試合で無理をすると当然痛めてしまう確率は高くなりますので注意が必要です。

また、「肘の曲げ伸ばしの角度に制限がある選手」は、その後の1年以内に71.4%が投球障害を発症するというデータも出ています。

選手自身も知らず知らずのうちに肘の可動域が低下している場合があるので、チーム全体で定期的に肘の可動域をチェックする機会を設けて欲しいと思います。


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肘の曲げ伸ばしの角度は左右同じですか?


「片足立ちが3秒間出来ない選手」の投球障害発症率は約70%です。非常に高い確率ですね。

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片足立ちで3秒以上立てますか?

うつ伏せになり、ひざを曲げて、かかととお尻の距離を測る「踵殿部距離」や、「股関節の屈曲」で可動域制限が見られた選手も、投球障害の発症率が高い傾向にあるということです。


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かかととお尻、10㎝以上近づきますか?


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股関節は110°以上曲がりますか?

「踵殿部距離」は、太ももの表側の筋肉(大腿四頭筋)の硬さをみるテスト。「股関節屈曲」はお尻からもも裏にかけての筋肉の硬さを見るテストです。

股関節の柔軟性がないと、下半身からのエネルギーを上半身へ上手く伝えることができなくなるため、肩や肘の力に頼った、いわゆる「手投げ」になり、肩肘を痛める原因となってしまいます。

その他にも、次の図のように両肘をつけたまま鼻の高さまで上がるかどうかを見る方法も試してください。あまり上がらなければ、背中の筋肉が硬くなっています。

予防のためにできること

投球障害のリスクを減らすために、次に示すトレーニングを普段の練習や自主トレに少しでも組み込んでください。

片足立ちバランスの改善や下半身の柔軟性改善を図るために、股関節・体幹の筋力トレーニングとストレッチ、足裏・足指の強化を行いましょう。また、肘の可動域が低下しないように、肘まわりのストレッチも毎日行ってください。体の状態が改善することで、投球フォームも自然と改善しやすくなります。

股関節周りのストレッチ

大腿四頭筋のストレッチ、股関節内旋筋、外旋筋ストレッチ、ふくらはぎのストレッチ

股関節の筋力トレーニング

外転筋、スクワット、ランジ、タオルギャザー

タオルギャザーについてはこちらの記事も参考になります↓

肘まわり、肩まわりのストレッチ

上腕二頭筋、上腕三頭筋、前腕屈筋群

体幹筋力トレーニング・ストレッチ

腕立ての姿勢・片手で体を支える

また、短時間で質の高い練習メニューを考案したり、多くの選手が複数のポジションを守れるようなチーム体制が作れたりすると更に良いですね。睡眠時間をしっかり確保することも、疲労回復にはとても重要です。

そして、肩や肘に痛みや違和感がある場合は、無理をせずに整形外科を受診してください。

今回紹介したストレッチ&トレーニングの詳しい方法はこちらの動画を参照してください。

【参考文献】

  • 亀山顕太郎/障害発生予防に対する取り組み/MB Medical Rehabilitation・2019
  • 亀山顕太郎/データから障害を予防する‐理学療法士による学童野球での試み‐/日本スポーツ理学療法学会・2017
  • CYBER BASEBALL